今日は前回の「手抜き複写」をちょっと実戦向きにアレンジしてみましょう。

環境は前回とまったく一緒、幅約150cmの窓際で撮影しています。前回、用意するものはカメラと被写体だけでしたが、今回は白い厚手の紙(幅30cmぐらい)も用意します。

1

被写体はゴルフボール。左の写真はゴルフボールを真上から撮った写真です。光は上のほうからあたっています。昨日の本や缶ビールと違い球体ですので光があたっていない下側は光があたっている上側にくらべ露出が落ちています(暗く写っています)
球の凸凹感を出すにはこのぐらいコントラスト(明暗差)がついていたほうがいいかもしれせん。

///

2

次に左のように用意してある白い紙を光が入ってくる方向とは逆のところに立ててみます。赤い矢印が窓から入ってくる光。黄色い矢印は白い紙に反射した光です。


3
(板、ボード、パネル。銀もしくは金の時もあり)を「レフ板(ばん)」と言いまして、街中でモデル撮影が行われているときモデルのそばで白い大きなボードを持っている助手の人を見たことがある方も多いのではないでしょうか。役目はまったく一緒で、影になる部分の明るさの調整に使います。


4

今度はまったく同じ状態で紙の位置を左側にずらしてみましょう。
当然紙をずらすと反射する光の方向も変わりますので、陰影のつき方に差がでます。


5

こんな感じになります。白い紙とあなどるなかれ、窓から入ってきた光を反射率の高い白い紙に反射させることで、同じ被写体を3パターン撮ることができました。

これで窓際の真俯瞰撮影(真上から撮る撮影)はバッチリですね。以下、ポイントです。

  • 大きなものを撮るときには被写体に見合った大きい白いボードを用意する
  • 日陰で撮影しているので色温度が上昇し何もしないと青っぽい写真になります。
    ホワイトバランスは適宜カメラで調整する。
  • 狭い窓よりもある程度幅と高さがある窓のそばで撮影したほうが安易に撮影できる。
  • 窓のすぐそばに垣根があるような窓は入ってくる光が妨げられるのでできるだけ開放感のある窓を利用する。
  • 直射日光を利用するとちょっと難易度が増す。
  • 白い紙ではなく色の付いている紙に光を反射させると紙の色が被写体にカブる。たとえば今回撮ったゴルフボールのような白い被写体に対し明るいピンクの紙をレフ板がわりに使うとレフ板側の面がピンク色っぽくなる。時にはわざとそうやって色カブリさせることもある。