Making of BRP #2

昨日、エントリーした「本店に掲載しなかった写真」のことなども含め写真に関しての裏話的なものがひとつのカタチになりそうなので、継続してみようと思います。

*** ル・ロイヤル・メリディアン・バーンタリンガムでの一枚 ***

タイ舞踊

これは「Le Royal Meridien Baan Taling Ngam (現Baan Taling Ngam Resort & Spa)Overview の最下段に載っている、レストラン「バーンチャントラ」で撮影した写真です。

一見、あたり前のように写っている写真に見えますが、カメラにビルトインされているストロボを使って撮影するとなかなかこの写真のようには写りません。
(カメラに付いているストロボを使うと、もっと生々しいライティングになり、後ろにエッヂがシャープな影が出た写真になります。影を弱めるにはシャッタースピードを遅くしてその場の光を取り込むなどの方法がありますが、手ブレなど弊害を伴います)

また、ストロボを使わずに撮影するとこのように動き止まった写真にはなりません。
(室内は暗いのでシャッタースピードを遅くして露光量を稼がないといけないためほとんどの場合、ブレブレの写真になります)

では、どのように撮影しているかと言うと、レストラン内の壁面が白かったのでいろいろな角度に照射できるストロボ(レンズを向けている方向だけではなく上とか左右に発光面を向けられるストロボ)をカメラ本体に取り付け自分の後方(背中側)にある壁面に向けて発光、いわゆるバウンス光(反射光)で撮影しています。
バウンス光の利点は、背景に影が出にくい(やわらかい光だから・専門用語では「光が回っている」と言います)、生々しい発色をしない(同じくやわらかい光だから)、違和感の少ないライティングになる、など自然な感じで撮りたいときに適したライティングと言えます。

逆に正面から発光させるストロボ・ライティングは、発色鮮やか、パパラッチ(死語?)的スクープ画像の雰囲気が出るので、時と場合によって双方を使い分けるといいと思います。
(注)ストロボをバウンスさせるとオートで撮影できないカメラ&ストロボがありますので気をつけてください。ちなみに私のストロボもそんなオートが効かないボロ・ストロボです(苦笑)そういうときはどうするかというと撮って撮って撮りまくり、データを出せばいいのです(笑)

このバウンス・ライティング、通常は天井が白い室内で撮影するときによく用いられます。
正面からストロボを発光させると真っ白に写ってしまうウエディングドレスを着た女性を撮影するときなどに有効です。外付けのストロボを買うには出費が伴いますが、ネットオークションなど利用すればランチ二食分程度で手に入れられます。ちなみに私のストロボは1,700円(笑)
(注)コンパクト・デジカメには装着できませんので気をつけてください。一眼デジタルならほとんどの場合どうにかなると思います。

もしかしたらストロボ撮影の新たな領域に踏み出せるかもしれません(笑)
興味を持たれた方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

ふぅ、無事「#2」終了。。。どこまで続くか見ものですね(ん?他人ごと)
塩漬け状態の「数字」シリーズもあるし、タイヘンだなぁσ(^^;)自分

コメント

  1. kojiyan1204 より:

    バウンス撮影のコツ、露出のバランス。。。
    頭では分かっていても、実際撮ってみるとこんな写真になってくれません^^;;
    常套的に使われる方法なのかもしれませんが、露光中にレンズの一部をささっと覆ってしまう方法というのもあるんですね。目からウロコでした!今度旅行に行った時に、挑戦してみますね^^

    質問なのですが、背面の壁でバウンス発光させても、自分の影ができたりしないものなんですか?不思議です。
    結婚式で、天井の壁を使ってバウンスさせて写真をとってみたりしましたが、いつもなんとも言えない変な写真になります(笑)

    難しいけど、面白いですね^^

  2. 象支店長 より:

    kojiyan1204さん、こんにちは。

    >バウンス撮影のコツ、露出のバランス。。。

    ストロボと壁面(バウンスさせる面)との距離によって
    コントラストや露出が変わるので確かに難しいですね。
    (コントラスト=影の出かた=光のかたさorやわらかさ)

    ポイントとしては

    壁面に近いところで発光させると拡散率は低くなる=影が比較的はっきり出る
    壁面から遠いところで発光させると拡散率が高くなる=影がはっきりと出なくなる

    ということでしょうか。
    天井バウンスに関して言えば
    「天井の高さと色&被写体との距離」が写真の出来を支配していると言えます。
    (もちろんその周りにある壁面や床の色、材質も影響します)

    まずはたくさん撮影していっぱいガックリすること、、、
    どんなことでも同じだと思いますが失敗の先に成功が待っています。

    >常套的に使われる方法なのかもしれませんが、露光中にレンズの一部をささっと覆ってしまう方法というのもあるんですね。目からウロコでした!今度旅行に行った時に、挑戦してみますね^^

    長時間露光の場合はほとんどの場合カメラを三脚に装着するので必要であればヒョイヒョイとレンズ前に手をかざし部分的に露光量を調節します。手持ちで撮影する場合は部分的に露光量を減らすフィルターをレンズに装着して撮影したりします。
    デジタルデータであればPhotoshopで「明るいところを焼き込む」という方法もあるのですが、現場で自分が意図した写真(撮ろうとした写真)に近づけておくことが最良・最高の写真を生み出すと思っているのであーでもなこーでもないといろいろやっています。

    >質問なのですが、背面の壁でバウンス発光させても、自分の影ができたりしないものなんですか?不思議です。

    「ストロボと壁面の距離」と「壁面の面積」なおかつ「ストロボの光量(ガイドナンバー)」によりますが、すべてがバランスよく設定できた場合は影は出ません。
    たとえば、大きな窓がある部屋で撮影者が窓側に立ち部屋の奥に被写体となる方が立って撮影した場合、自分の影が出ないのと一緒です。
    ポイントはいかに発光面となる壁面(ストロボを照射する壁面)を広く取れるかが重要になってきます。先ほど例にあげた大きな窓がある部屋の撮影も、大きな窓と言うのは日本家屋にあるような2m四方のような小さい窓ではなく天地左右5m×5mぐらいの窓が必要です(ちょっと極端に書いていますが。。。)言い換えるならば、とにかくできるだけ広い面積でライティングする「面光源」をつくりあげる。これで撮影者の影は出なくなります。

    >結婚式で、天井の壁を使ってバウンスさせて写真をとってみたりしましたが、いつもなんとも言えない変な写真になります(笑)

    おそらく天井の高さ、天井の色、周りの環境(周りの壁面)のバランスがとれていないんだと思います。広い室内の場合、さすがの天井バウンスでも光がまわらないので、背景を明るくしたい場合はシャッタースピードを遅くしてその場の「地明かり」を取り込んであげる必要があります。ストロボが小さい場合(ガイドナンバーが低い場合)天井の高さは3m程度が限度ではないかなと思います。また、低すぎてもダメで発光面が狭くなる(照射面積が狭くなる)ので光がまわらなくなり、バウンスの恩恵が少なくなってしまいます。
    その「なんとも言えない変な写真」。。。なんらかのカタチで見せていただければおおまかな原因はわかると思います。

    >難しいけど、面白いですね^^

    そうそう、写真は面白いんです。デジタル主流になった今、その場で結果がわかるので時間があればいろいろ試してみてください。

    激長の文章になってしまいスミマセン(^^;)よくわからないところがありましたら遠慮なく質問してくださ~い。
    コメントどうもありがとうございました。
    それでは、すてきな週末を!

  3. take より:

    はじめまして。
    写真初心者のtakeといいます。

    私も暗い室内や夜間にストロボを使って撮影するのはせっかくのライティングや雰囲気を壊してしまうので好きではないのですが、人物を撮影するときやレストランなどで混雑しているとき(人目も気になるし・・・)にはストロボを使わざるを得ないですよね。
    外付けストロボ、あったらいいなって思うけど、私(女)には重くて使いづらそう・・・。そうでなくてもカメラ・レンズだけでも重いのに。それに、コンデジには使えない。・・・・という訳で、外付けストロボつけなくてもバウンス撮影とまではいかなくても、それに近い感じで生々しい写真にならないような撮影テクニックってありませんか?

    でもやっぱりストロボ欲しいなぁ。
    部屋の中で動き回る子供とか撮影するのに使ったらどうでしょうか?
    低レベルな書き込みでゴメンナサイ!!

  4. 象支店長 より:

    takeさん、はじめまして。

    外付けストロボを使わず、なおかつ軽量ということでしたらこんなアクセサリーはいかがでしょうか?
    http://www.kenko-tokina.co.jp/d/flash/index.html

    ただし私自身使ったことがないのでどういうふうに写るのかはわからないのですが。。。「リングライトもどき」って感じかな。
    このアクセサリーの考え方は、ストロボの発光面を大きくし(広くし)できるだけ面光源にしようというものだと思います。人物の場合は目にばっちりキャッチライトが入りそうでいいかもしれません。
    (注)オートで撮影できるかどうかわかりません。

    おウチの中なら問題ないでしょうが見た目派手なので外で使うと目立っちゃいそうですね(笑)

  5. kojiyan1204 より:

    こんばんは~!
    遊びに来るのが遅くなりすぎました。
    スミマセン^^;;

    カメラ教本並み(笑)の素晴らしいアドバイスありがとうございます!
    象支店長さんのカメラレクチャーは、面白くて面白くて、読み進めるごとにワクワクします!
    本などの出版はなさらないんですか?

    >その「なんとも言えない変な写真」。。。なんらかのカタチで見せていただければおおまかな原因はわかると思います。

    これは、↑に書いて頂いた後者が原因かと思われます(まさにそのものです)
    最近行った結婚式はパーティ程度のこじんまりとした会場で天井も低めでした。
    人物撮影をした際に、写真のストロボが当たっている部分の奥行きが無いというのか、上からばしっと発光した感じの写真です;;

    ところで、ケンコーのアクセサリー面白いですね^^でも、たしかに外で使うのはちょっと勇気がいるかもです(笑)

    現在、一眼は彼の元へ旅行中なので、帰ってきたら身近にあるもので写真を撮り始めようかな♪と思います。
    身近な物から日々練習ですね。

    サムイで素敵な写真撮れるように、象支店長さんの写真でアングルなど研究させてもらいます*^^*

  6. 象支店長 より:

    kojiyan1204さん、こんにちは。

    >カメラ教本並み(笑)の素晴らしいアドバイスありがとうございます!
    ははは、中途でやめてしまうとわかりにくいと思って書いていたらどんどん長くなってしまいました。本は。。。ありえないですね(笑)

    >身近な物から日々練習ですね。
    そうですね。カメラを持っていないときでも人や風景やモノを写真的に見ていると練習になります。
    「写真的に見るってどういうことだよ」ってことを説明するとまた長くなりそうなのでこのへんで(笑)

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