25年近く前でしょうか、友人が「アウトドアでこんな料理があるんだよね、やってみない」と、
どこからかこの料理法を仕入てきました。
確か原典はC. W. ニコル氏だったような気がします。

簡単に説明すると、本来地上で蒸し焼きにするべき食べ物を地中に埋め、その上でたき火をしてその熱で調理しようという体力と根気が必要な料理法で、できあがるまで3時間近く掛かります。

たき火はいいよね~

そのできあがるまでおよそ3時間という点をポジティブにとらえるなら、、、
大自然の中、たき火を前にゆっくりと流れる時間を仲間と一緒に一杯やりながら過ごしてみないかという夢とロマンあふれる料理法とでも申しましょうか(笑)

もちろん目の前にあるたき火で他の調理も行いますが、3時間後掘り起こした埋蔵食は

「たき火からのプレゼント」

って感じでそれはなかなかいいものであります。。。成功すればですが :ase:
ちなみに「働かざる者食うべからず」の料理法でもあるので人選は慎重に ::-D:

では早速プロセスの説明に移ります。

埋めてしまう食べ物は蒸し焼きできるものなら何でもいいでしょう。
私たちはいつも醤油や香草等を使い下味を付けた鶏のモモ肉(クリスマスに食べるアレ)を埋めています。味付けに関しては、人それぞれ好みがあるでしょうからここでは説明を省きます。

  • 埋めてしまう食べ物を家で仕込んでから出掛ける
    アルミホイルで包んで埋めますが一枚だと掘り起こすときにホイルが破けてせっかくの肉汁が流失してしまう可能性が高いので2重に包んだ方がいいです。
  • 現地に到着したら穴を掘る
    深さは結構必要になります(理由は次で)そのためスコップは必須アイテムです。河原のそばで行う場合は水が上がってこないことを必ず確かめましょう。
  • 掘った穴に石を敷き詰めます
    上に行くに従って細かい石を敷き詰める

    下の方は大きめの石を置き、上にいくに従って細かい石にしていきます。石を敷き詰めるので穴を深めに掘っておかないとたき火と埋蔵食が接近しすぎて黒コゲになります。

  • 穴のセッティングはこんな感じになります
    #1 穴完成
    この時はたまたま落ちていたコンクリート製の四角い枠を使っていますが、普通はこんなもの落ちていないので穴の縁にもしっかり石を敷き詰めてください。底には小さい石が敷かれていますが、その下には大きめの石が敷かれています。
  • 穴をプレヒートする
    #2 穴をプレヒート
    すぐにでも食べ物を埋蔵したいところですが、穴が冷えたままだと下側に熱が行き渡りにくいので1回たき火をして石を暖めます。横浜生まれの人は気づいたと思いますが黄色いのはシューマイ弁当の包み紙(笑)
  • ただいまプレヒート中
    #3 プレヒート中
    こういうところで手抜きをすると、のちに肉が生焼けで非常に悲しい思い :namida: をしますのできっちりやりましょう。最初に書いたように「体力と気力が必要な料理法」なんです。
  • ひとしきりたき火をしてプレヒート完了。埋蔵します
    #4 埋蔵中
    上でたき火をしますのでリスのように埋めた場所がわからなくなってしまうなんてことはありません、ご安心を(笑)
  • すべて置き終わったら上にも石を敷き詰めます
    #5 上にも石を敷き詰める
    できれば最初はちょっと大きめの石を一層敷きその上にしっかり細かい石を敷いたほうがいいです。すべて細かい石で埋め尽くすと掘り起こすときに手間が掛かります。
  • 石を敷き詰め終わったら再びたき火をします
    #6 調理のたき火開始
    ご覧のように下にある穴よりも広めにたき火を行います。
    同じ大きさにしてしまうと外周近くに置いた埋蔵食が生焼けになるときがあります。
  • 上の写真からまだ40分しか経過していません
    #7 まだ40分
    先は長いのでたき火を使って他の料理を地上で作りましょう。
    アルミホイルに包んだ芋をたき火に放り込んでおけば焼き芋ができます。
  • 穴を掘り始めたのが3時前。いまは6時。。。そろそろいいんじゃない ❓ まだまだぁ !!
    #8 穴を掘り始めてからただいま3時間経過
    この時はたき火がうまくセッティングできて、なおかつ埋めた量もさほど多くなかったので2時間半ぐらいで掘り起こしました。
    この頃になると単なる酔っぱらいになっていましてこの先は写真がありません :poripori:
  • 掘り出したあとは各々「たき火からのプレゼント」をご賞味ください

いくつか注意点を

  • たき火をする環境(地面)の状態によって焼け具合(時間)がかなり違います。3時間というのはあくまでも目安なので調整してください。
  • まんべんなく火がまわるようにたき火のメインテナンスはマメに行いましょう。
  • 勢いよく燃やしたからといって調理時間が短縮されることはないので、地上では普通に調理しつつアウトドアでの食事を楽しみましょう
  • 上に敷き詰めた石は当然のこと、周囲にある石も相当熱くなっています。火傷には十分注意してください。
  • 手荒に掘り起こすとアルミホイルが破けて悲しい思いをします。上にかぶっている石はちょっとずつどけましょう。
  • 念のため先にひとつだけ取り出して焼け具合を確かめましょう。全部取り出してしまってから生焼けだったりするとアルミホイルが破けてしまうより悲劇です。

バクチ的な要素も含んでいる調理方法(笑)ですが、成功するとうれしいもんです。
成功率ですか?、、、いろいろな場所で10回近くやって1回失敗。打率9割ってところです。

:onpu: たまには地中で、クッキング~ :thumb-up:

では、すてきな週末を!