絞り値とはなんぞや?露出とはなんぞや?
というご質問をMaking of BRP #12-1のコメント内でいただきましたので、エントリーしたいと思います。細かいところまでやると例によって凄まじい長文(^^;)となってしまうのでサラッと行きます。
そう、まさしく穴!
穴は大きくしたり小さくしたりできます。その大きさの違いを数値化したものが絞り血、もとい絞り値、また羽根を完全に開け切った状態の値をそのレンズの開放値と言います。
絞り値を見慣れた値(見たことがありそうな値)で挙げますと以下のような数値となります。
穴が大←【1、1.4、2、2.8、4、5.6、8、11、16、22、32・・・】→穴が小
上記に載っていない絞り値の場合は数字同士の中間、もしくは1/3、2/3と考えてください。開放値のほうは、たいていレンズ周りに記載されていますので、ぜひお手元のカメラのレンズ部を見ていただけたらと思います。私の携帯に搭載されているカメラのレンズにも1:4.0という風に記載されています。後ろの4.0というのが開放値です。
おおざっぱに言ってしまうと、写真を撮る際、レンズを通して入ってくる光はレンズを通過するときに損失が起き、カメラのセンサー(アナログでいうところのフィルム)まで100%の光が届くわけではありません。その損失ぐあいを数値化したものが開放値で、一般的に開放値が小さい値のレンズ(光の損失量の少ないレンズ)ほど高価です。
同じ焦点距離のレンズであっても開放値が一絞り(さきほど列記した絞り値の隣り合った数字の差をひと絞りと呼びます)違うと価格は倍以上違ったりします。その違いを語ると長くなりますので開放値はこの辺でおしまい、次は絞り値です。
絞りの役目はレンズを通して入ってくる光の量を調節します。
どうやって調節するかというと先ほどご覧頂いたように光が通過する場所の面積を大きくしたり小さくしたりして行います。その面積を数値化したものが絞り値です。
参考までに、露出のハナシでよく引き合いに出されるシャッタースピードというのはセンサー(アナログで言うところのフィルム)に光が当たっている時間を長くしたり短くしたりして光の量を調節します。
本来ならここで絞りとシャッタースピードの関係も書きたいところですが、今回は避けてとおります。
よく撮影モードで「絞り優先(Av)」という言葉を耳にすることがあると思いますが、それはカメラに自分が好きな任意の絞り値を設定(固定)して、シャッタースピードの調節はすべてカメラ側にゆだねる撮影モードです。
逆に「シャッタースピード優先(Tv)」と言うのはシャッタースピードは撮影者が決め、絞り値の調節はカメラまかせにするというモードです。
もうひとつ、絞りもシャッタースピードもすべて撮影者が決める撮影モードのことを「マニュアル(M)」と言います。
どれを選択するかはそれこそ撮影者次第ですが、通常は絞りとシャッタースピードが持っている「効果」を頭に置きながら選択することが多いです。その効果とは。。。
まず絞り。絞りを開けたり閉めたり(広くしたり狭くしたり)すると下の写真のように被写界深度(ピントが合う範囲)が変化します(左が開けたとき、右が閉めたとき)
シャッタースピードのほうは、主に動きのある被写体を撮影するときにその「効果」を使います。
また、暗いところで撮影するときに「手ブレ」しないようシャッタースピードを優先的に考えて撮影することも多々あります。
露出と言うのは*「絞り」と「シャッタースピード」を用いてセンサー(アナログで言うところのフィルム)に当たる「調節された光の量」のことです。
光の量が少ないと暗い写真(アンダー)になり、多すぎると白っぽい写真(オーバー)になり、ピッタシの量だとキレイな写真(適正露出)になります。
*実際は「感度(ISO)」と言うものも関係しますが、ややこしくなるのでここでは省いています。
(注)できるかぎりわかりやすそうな言葉を用いましたので表現として適切ではないところがあります。
・・・やっぱり長くなったな(^^;)
マシ
2007年2月11日 @ 11:23 AM
象支店長さん、こんにちは!
お忙しい中露出の件、ありがとうございましたー!やっとヒストグラムの見方も分かりました。次回からはヒストグラムを見て撮影してみたいと思います。
早速絞りのお話、ありがとうございますー!
ちょっと疑問に思ったのですが、絞りは光の量の調節だけれど、主に使うのは(絞りを開けるのは)、後ろをぼかしたい時(マクロ撮影時?)のみと考えて良いのですか?
光量を増やすということは、よく晴れた空の下での風景写真では(マクロ撮影以外)、絞りは閉めて撮るということでしょうか・・・?
素人故の初心者的な質問ですみません。。。(汗)
追伸:HP&ブログをリンクさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか?
象支店長
2007年2月13日 @ 9:21 PM
マシさん、こんにちは。
コメント遅くなってしまい申し訳ありません。
ヒストグラムはアナログカメラ時代には無かったとても便利な機能なのでぜひ活用してみてください。
あまりヒストグラム自体のカタチや配置とらわれすぎると撮影が面白くなくなってしまうでしょうから目安程度に考えていただくといいかもしれません。
常にヒストグラムを参照していると「被写体の明度やコントラスト」と「ヒストグラムに現れた山のカタチ」を照らし合わせ「たぶんこんな感じの写真が撮れているだろうなぁ」となんとなく頭の中に思い描くことができるようになるかも、、、ならないかも(笑)
>ちょっと疑問に思ったのですが、絞りは光の量の調節だけれど、主に使うのは(絞りを開けるのは)、後ろをぼかしたい時(マクロ撮影時?)のみと考えて良いのですか?
「絞りを開けるのは後ろをぼかしたい時」という考え方でいいと思います。
が、しかし、、、それだけとは限りません。
たとえばある程度絞り込んで(絞りを閉じて)多少背景のボケを抑え込みたいと思っているのにもかかわらず、絞りを開けざる得ないというようなとき⇒暗いところで撮影していて、シャッタースピードは手ブレの限界値(←これは別途エントリーしておきます)ぎりぎりまで遅くしたが、それでもまだ露光量が足りない場合など(。。。感度を上げて乗り切るという方法もありますが)
したがって、「絞りを開けるのは後ろをぼかしたい時のみ」と限定することはできません。
あと、被写体の後ろや前がボケるのはマクロレンズや望遠レンズだけに限ったことではないので「マクロ撮影時のみ」ということでもありません。
>光量を増やすということは、よく晴れた空の下での風景写真では(マクロ撮影以外)、絞りは閉めて撮るということでしょうか・・・?
すみません、引用させていただい文章の途中にある文言を一部分を消し去り簡略化すると
「光量を増やすということは、絞りは閉めて撮るということでしょうか・・・?」
というご質問になると思うのですが、絞りは閉じていけばいくほど、レンズを通して入ってくる光の量は少なくなるので、このご質問の文章を読ませていただいただけではどのように回答していいのかわかりません。
仮に「なんらかの目的によりレンズを通して入ってくる光の量を減らさなければいけないときには、絞りは閉めて撮るということでしょうか・・・?」ということであれば、大筋であっています。ただしシャッタースピードもレンズを通して入ってくる光の調節を行っているので、シャッタースピードを早くすれば「よく晴れた空の下での風景写真」で絞りを開けて撮影することも可能です。なお、開放値まで開けられるかどうかはお使いのカメラ&レンズの仕様によります。
はたまた「後ろのほうまでピントが合うようにしたいときには絞りは閉めて撮るということでしょうか・・・?」ということであれば、それは正解であります。
以上、一眼レフを対象にして書いていますので一部コンパクトデジタルカメラでは対応できないものもあると思います。ご了承ください。
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リンクに関してですが、もちろんOKです。どうもありがとうございます。
マシ
2007年2月15日 @ 11:16 PM
象支店長さん、こんばんは!
またまた詳しいご回答ありがとうございますm(__)m
>シャッタースピードを早くすれば「よく晴れた空の下での風景写真」で絞りを開けて撮影することも可能
絞り優先モードなるものがGRDにはあるので、そのモードでF2.4のまま(カメラでシャッタースピードを決めてくれる状態)ずーっと撮っていたら、かな~り白トビしてしまったんです^^;。
でも、それもヒストグラムを見れば解消できそうですね!頂いたご回答を参考にして、がんばりたいと思います~^^
暫くはマクロ撮影時は絞りを開き、マクロ以外はヒストグラムをことさら気にしつつ撮ってみたいと思います。
リンクありがとうございました!私のブログにも早速貼らせて頂きました。今後とも宜しくお願い致しますm(__)m
象支店長
2007年2月15日 @ 11:45 PM
マシさん、こんばんは。
>絞り優先モードなるものがGRDにはあるので、そのモードでF2.4のまま(カメラでシャッタースピードを決めてくれる状態)ずーっと撮っていたら、かな~り白トビしてしまったんです^^;。
あ~、なるほど。
ドピーカンの時にカメラの感度設定が400とかになっていて、F2.4の絞り優先で撮影すると、シャッタースピードで制御しきれないことがある(シャッタースピードが最速状態になってもまだ光の量が多すぎる=オーバー=白っぽくなる)のでご注意下さい。
GR-DですとISO感度64も設定可能なので、たとえば雲ひとつないような天気の時に日なたでなおかつ開放値(F2.4)で白いパラソルや白っぽい花、白い砂浜などを撮影する場合は64もしくは100のというような感度を選択し撮影したほうがいいと思います。
いずれにしてもヒストグラムを気にしながら撮影すればクリアできるでしょう。チャレンジしてみてください。
こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。