先日、梅を見に行ったときのこと、レンズフードを逆さに付けている方を大勢見かけました。
正直、ビックリするほど。

レンズフードを逆さに付けた方

おや?ここにもいらっしゃいました。ちょっとわかりづらいので切り出してみましょう。

間違いなく逆さに付けていらっしゃいますね。このときだけ逆さまかと思いましたら、どこで撮っても、どの方向にカメラを向けているときでも逆さまのままでした。

この方に限ったことではなく、約半数近い方がレンズフードを逆さまに付けたまま撮影していらっしゃいました。

レンズフードというのはレンズの先端に付ける黒い筒 (外側は白っぽいものもアリ) のことです。

赤枠の部分がレンズフード

外すとご覧のように単なる筒で、見た目あってもなくてもいいようなシロモノであります。

レンズフードは単なる筒

なくてもいいようなものなのにナゼ付いているかと言いますと、撮影時レンズに当たって「写り」に影響を及ぼす有害な光線をカットするためです。
決してレンズを望遠っぽく見せるために付けているわけではありません。広角レンズには広角レンズのレンズフードがありますし(笑)

レンズに光が当たるとどういうことが起こるのか

レンズに斜めから直接光が当たっている

意図的にiPhone のレンズに光が当たるようにして動画を撮影してみました。ちなみに映像のなかで「ハレ切り」と称している行為が、レンズフードが担っている役目です。

レンズに入り込む光をカットしただけでまったく別物の「写り」になりますね。

動画は極端な例ですが、順光 (撮影者の背中側から被写体に光が当たっている状態) で撮影していても、ビルの窓ガラスに太陽が反射して疑似逆光になったり、白い壁面を背景にして撮るときなどもレンズ自体に盛大に光が入り込んで写真に「締まり」がなくなってしまうことはよくあることです。
これからの季節、桜を下から撮るときなども空が逆光っぽい状態で写り込むのでレンズフードを付けておいたほうがイイと思いますよ。

前向きにネ :D

写りに悪影響を及ぼす光を軽減するためにレンズフードは付いています。
ぜひ前向きに取り付けて撮影に挑みましょう。前向きにご検討いただけたらと思います ::-D:

ちなみに、レンズフードが取り付けられないコンパクトデジタルカメラや iPhone での撮影時にレンズフレアが入る場合は、手のひらや小さなボード (黒いボードがベスト) をレンズ前にかざして撮影するという方法もあります。。。片手で撮影することになってしまいますが。

» レンズフレア – Wikipedia

追記:

  • マクロ撮影ではレンズフードが取り付けられないことが多々あります。
  • 映像表現としてレンズフレアをわざと入れる時もあります。
  • 記者会見やスポーツの撮影現場ではレンズフードを付けない場合もあります。ジャマだったり、その撮影現場のルールだったり、危険回避のためだったり、理由はいろいろ。いまちょうど相撲中継をやっていますので、ここで問題です。土俵際で撮影しているカメラマンはレンズフードを付けているでしょうか?付けていないでしょうか? :hoxtu: