#9 で書きましたように、光には大別して3種類のタイプ(光質)がありますので、被写体に応じてその異なる特徴を持った光を使い分け撮影することが重要になってきます。

屋外の撮影では(屋外と屋内を一緒に撮影する場合や外光を使って室内で撮影する場合を含む)天気や撮影する時間によって、光が刻一刻と変化しますので撮りたい被写体を良く見て対象物がより美しくより効果的に見える天気や時間帯を狙って撮影します(撮影する時間帯を変えるということは次にエントリーする「光の方向」にも通じるものです

一発でうまくいくときもあれば、出直さないといけないこともあり、短いリゾート期間中に満足いくような写真が撮れるかどうかはある部分運次第ですが「きれいなので絶対撮影して帰りたい」というようなものに出会った時には、日をあらためて何回か撮影してみたほうがいいと思います。

こだわりすぎて楽しくないリゾートにならないようくれぐれもお気をつけください。

一方、自分で光のタイプを変えられるような撮影では(人工光の撮影では)被写体の材質やフォルムによって「どういうタイプの光で撮影するときれいに写るのか」がある程度(必ずというわけではありません)決まっているので努力に比例して「イ~感じ」の写真が撮れる可能性が高くなってきます。

ディフューズされた光りとダイレクトな光りの違い
ディフューズ ダイレクト

曇りの日のやわらかい光だと影が薄くなりコントラスト(明暗差)が付きにくいためフラットな感じで写りますが、ダイレクトな光の場合(この写真の場合は凸凹のある表面を擦っていくような光)は影がハッキリと出るのでへこんだところは暗く、出っ張ったところは明るく描写され、凹凸感がより一層強調されます。

たとえば、麻やキャンバス地の表面のディテールを強調して描写したい場合などは、硬めの光(ダイレクト光やそれに近い光質の光・比較的影がくっきり出るような光)を横から照射すると織り目や素材感などをよりはっきりとアピールできる写真に仕上がります。